なんなんだろうな/ゆるこ
 
生活」していた。
例えるなら…いや、例えることなど出来ないほど、たくさんの色彩。
涙で滲んだ瞳が映すような不思議な世界。
わたしは時々その世界に降り立ち、挨拶をする。
わたしが作った不思議な挨拶。
小指を上げて、中指を立てて、結び合い、最後は頬擦り。
それを城も、マグマも、街路樹も、わたしの魔法使いも、笑顔でしてくれる。

わたしはあの時確かに幸せだった。

全ての物事はわたしの世界が面白おかしく変えてくれたのだ。
だからわたしは、痛みも、悲しみも、苦しみも、全て、忘れる事ができた。


「いつからだろう。」

ポロリと零れた自分の声でハッとした。

目の前には伸びきったカップラーメン。
左手には炭酸の音が聞こえない発泡酒。
そして、わたし。







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