なんなんだろうな/ゆるこ
 

発泡酒のプルタブを引くと、パシュッ、っと小気味良い音がする。
慌てるように口に含むとそれは、命の流れのように食堂を通り、胃へと収納される。
濡れた髪をガス屋に貰った安く薄いタオルで拭く。
2年越しに着用しているタンクトップの胸元は緩く、パンツの色が褪せた日をわたしは知らない。
付けっ放しのテレビからは、何が面白いのか、話題を聞き逃した内容を、同じ笑みを浮かべた人々がしきりに繰り返し笑っている。

ピュー

やかんの沸騰した音。
わたしは発泡酒を左手にぶら下げ、今座っている場所から二歩の狭い台所へ行き、
風呂に入る前に開けたカップラーメンの中にやかんの湯を注ぎ込み、暫しそこ
[次のページ]
戻る   Point(4)