さやかに星はきらめき/ホロウ・シカエルボク
 
くことはなく、警備の依頼を打ち切られた警備会社はとうの昔に警報システムの主電源を落としていた、俺がそれを知っているのは、ちょうどその建築会社の社主交代の際にお抱えの警備会社の社員として働いていたからだ―いまはくだらないレストランでオムライスを作って暮らしている―まあそんなことはどうでもよくて…翌日が休みの仕事上がりのときにはスクーターを飛ばしてよくこの新興住宅地に訪れる、ひとつふたつ売れていた家もすでにもう手放されたようだ、生活を示す灯りをともしている窓はひとつもなかった、街のど真ん中には巨大な運動公園があって、そのグラウンドの中心で腰を下ろすと、市街地ではちょっとお目にかかることの出来ない天然の
[次のページ]
戻る   Point(1)