さやかに星はきらめき/ホロウ・シカエルボク
市の大手建築会社の、一大プロジェクトとして作られた街外れの巨大な新興住宅地は、建てられたもののろくに買い手がつかないまま数年が経過していた、そんな隙だらけの巨大な新築廃墟など、瞬く間にフラストレーションを溜め込んだ若者たちの発散の場になりそうなものだが、街の入口にある「防犯カメラ起動中」という警告と、建築会社お抱えの警備保障会社のロゴのステッカーがそれを阻んでいた、それがもう何の意味もなさないただの飾りであることを知っているものは少なかった、建築会社は倒産し、名前だけを残して他の建築会社に引き継がれた、新しいボスは、もともとの責任者をこぞって無職に追い込んだ一大プロジェクトになんの関心も抱くこ
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