心臓と星/狩心
 
丸くてデカイ桃にある
梅干し型の秘密の穴に
雨を凌ぐ為の傘が突き刺さった
これからはじまるのだろう
わたしの心臓を裏返す様な
イボ痔のオーケストラの夜が

誰にも知られない葛藤の中で
町の喧騒を丸呑みにして唸る
狼男のような本能の叫びと体毛の発育
繰り返される苦痛と生命の勾配
夜空の星々は生々しい心臓になって
グロテスクにキラーキラーと輝く

過ぎ去った可愛い猫が
のんびりとした水の中で眠って
音もなく窒息死している
そんな水槽をわたしは食べた
想像妊娠で膨れた腹
深夜の公衆便所で胸が熱く破れる服
爆発しそうな心臓の星を産み落とす
何にも例えられない声と
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