屑しながら/朝焼彩茜色
 
 
 死にたい訳ではないけれども
 毎朝大袈裟に 浮遊をさらに包む
 人生が少しずつ速く伸びて
 その場所へ齢と糧とささやかな幼い心を
 献上でもするように 同じ手順で繰り返す
 バイオリンの姿も声もしばらくカーテンで隠し
 晴れた空へ死にたい訳ではない血液に隠れた灰汁を
 間違えて献上してしまいそうになる
 人に寄りかかりたい
 とりとめのない屑な星の戯言
 無駄に灰汁だけ相手して困憊の屑な常
 星が星を掬えないように
 自分で自分を救えない
 死にたい訳ではない
 生きたい訳なのは確かとしかり踏んで
 自分に自分を献上するくらい強かに
 晴れた空へもってゆく
 
 浮遊しながら
 屑しながら
 
 
 
 
 
 
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