十四年ぶりの熊本城/朝焼彩茜色
 
 3日に初詣に行った
 熊本城の側の加藤神社
空が百本の百群の矢を放ったような
そして 優しい太陽の光をくぐってつつ抜ける
止まらない刹那が続いていくような
  懐かしい空だった
 まだ彼氏と彼女だった頃と同じ空だったかもしれない
 きっと空なんて仰いでなかった
 色々あったことが色とりどりに清んできたこと
 思い出の引き出しがフワッと ひらいた
 あの頃から大事にされていたこと
 あの頃は気がつかなかったけれど
 今では 頬をさわる私の中の第六感が
 心地よくおしえてくれる
 あの頃から大事にしてくれてきたから
 私の頬は ずっと桜がたくさん
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