年賀欠礼/ミナト 螢
 
ポストの胃袋に
積んだハガキは
あっち向いてホイ

知らないままの
顔で運ばれてく

極楽浄土の
土産に持たせた
白い砂糖が
雪に混じっている

姿を見せずに
気配を残した
亡者の心が
蘇る場所で

塩を撒いた
天国への階段
降りしきる雪が
固まりながら

明日は扉を
開けられるかな
戻る   Point(1)