肉体のサイレン/ホロウ・シカエルボク
防を縦横無尽に這いずり回る津波のように口から鼻腔から果てしなく溢れ出す、呼吸が出来ない、呼吸が奪われようとしている、でも流れを着ることは出来ない、俺の身体にはそれに抗うだけの体力が残っていない、視界が白く霞み始めた頃、血流はようやく終わりを迎える、もしかしらすべてが流れ出てしまったのかもしれない、もはや俺は肉体を保持しているだけの亡霊に過ぎない、体温が冷えていくのが分かる、冷たい汗が流れ続けている、時々循環器が癇癪をおこすみたいに呼吸が大きく跳ね上がる、でもそれは次第に長く、感覚を開け始めている、どうしてこんなことが起こるんだ、俺は死神のようなお前に尋ねる、お前ははっきりとした答えを明らかにはしな
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