磨りがらす/はるな
 

日々の傾き
わたしたちは
あかくなる木々にもおびえて
言葉のすき間に
場所をもとめた

磨りがらすのように
ざらついた気持で
いっさい誰のものにもならない
なにひとつ手にもたない と
宣言しながら
おもたく湿った体から出られない

遠くへ遠くへ遠くへと
おもうたび裏返る
体を、おさえつけるように
意識がかろうじて
境目をしている






戻る   Point(3)