あなたの居なくなった世界に/ホロウ・シカエルボク
 
つかのわたしを
いまのわたしはしばらく見上げていた
あの頃未来だと思っていたことは
日々の彼方に消え去ってしまい
わたしはただ
身なりを整えては出かけていくだけの


わたしは踵を返して
来た道を逆に辿った
どんなことのためにここに来たのか
いまではもうわからなくなっていた
風は心を奥まで凍りつかせて
ヴァイオリン・ソナタの旋律のすべては
とうとう
思い出すことは出来なかった




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