夢の傷/秋葉竹
 
青い雨が
灰色の空から降り落ちる
夢の中
白百合の頭部が
ポツリと
落ちる

小さな三角形の帆を張った胸が
なみだの波紋で揺れている
だれにもしあわせを
届けてあげられないので
すべてを諦めた人生だったからだ

ユニコーンは
乙女のやさしさを持っているので
私にささやいてくれる花ことばは
夢の傷を癒してくれるし
暖かい風を吹かせて
深い夜の天国へいざなってくれる

この部屋にはたにんは入れない
あの諦めきれなかった哀しげな笑顔を
わかってくれたひとの
素直さでも駄目かもしれない

ぬくもりを棄てて傷つき
消えてゆく生活に怯える

口をあけて過
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