鎖の歌/秋葉竹
金砂銀砂の歌の粉が
この部屋の
温もりのなかを踊り舞う
聴きたい人々には、聴こえるだろう
闘いを放棄したため
笑顔を痙攣らせながら
ドアノブをジッと見る
人たちもいる
フローリングに寝っ転がって、
冷めきった希望のページを読む
人たちもいる
信じられない嘘が
君にバレてしまうまえに
ひとりぼっちの夢を描こう
怖い、訳ではない、といおう
なにも、怖れないで、前をみている、と
隣の街には、雪が降る
白い花咲く、白い朝
氷をかじり、噛み砕く
忘れられない、夢と恋
その部屋は、
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