石の合唱/
服部 剛
誰かが蹴とばした丸石が
転がって
僕の爪先にぴたり、とまる
――丸石は、囁(ささや)いた
空っ風が吹いてきて
一枚の枯葉は喋(しゃべ)りながら
アスファルトを、撫でていった
よく見ると、丸石の周囲には
アスファルトに閉じ込められた
石達が無音の合唱を歌い
(口を開き)
一人ひとりの石達は
光の糸で結ばれながら
哀しく微笑みかけるのだった
信号待ちのひと時
立ち止まる、歩行者の僕に
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