よしっ。いや、ちょっと マテ。/るるりら
めざめると同時に 自由の女神になっていた
すっくと立ち 右手を挙げ 情熱の象徴を高らかに天に示し
頭の中に声が響いていた「走れ!」
いや、ちょっと待て 忘れられないぢぁないか あの家の事を
わたしは おそるおそる鍵穴に鍵を入れた
ぢぁりと鈍い音がして穴は開けられることを拒んでいる
じぁあ家に入るのを止めようかと 後をふりかえると
今来た門柱までの距離には 私が なぎたおしたヨモギがうなだれて
悲しそうだ
なにもせずに帰る気か
深呼吸し
ドアを開けることにした
扉の ぢぁりが、がちゃと開くまで力を入れた
が
扉は おもいのほか
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