白いうた/秋葉竹
 

白い顔、しながら
君を探すんだけど

君の顔が見えない
強い雨が目を刺すから
くぐり抜けた街の汚れは
とりかえることもない
白いカッターシャツを
汚し続けているんだ

ため息を
ついたね?
野獣の大きな耳が
もっと大きな
草食獣の敏感な耳になっても
決して聴き取れない
悲しみの白いため息をそっと、ね?

君の顔が見えない
君のあたまが知りえない
そんななか、

ぼくの地獄はほかにはない

君の白い眼、その冷たい眼。

生きていいこと
いっぱい教えてって
それを教えられる資格など
ぼくの中には欠片もないけど
って答えたぼくを
見下すよ
[次のページ]
戻る   Point(8)