歩み/葉leaf
歩み
収容所は終戦とともに花にあふれ、至る所に陽射しが降り注いだ。男はいくつも国境を越え、国境を突破するたびに銃創を負った。孤独という唯一絶対神は毎日新しく男を創造した。
山里は文明の到達に伴い急速に開発されていき、人間の放つ電波により通信障害ばかり発生した。女は民謡から歌謡曲を経由してポピュラーソングへと編曲に編曲を重ねた。音楽はその一節一節に女の華やかな愛情を表現していた。
人生の塵を拾い集めることは崇高な行為のように思えた。男は余すことなく人生を享受しようと、いくつも小石を並べていった。小石のつくり出す電磁場が、歴史の流域に渦巻いていた。人生は小石一つ一つの中にも改めて
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