少女は、荒野をめざす(風塵《改》)/秋葉竹
 
天使だって、
死ぬんだ、って。

それは、
凍りついた川の岸辺に
天使の肉体がたどり着いていた。
なぜか、
人が、
人の心を、
疑い、
恐れる、
荒野の街の、
夕間暮れ。

それは、
もはやぬけがらとなった天使のことを
横目にみて、
1度だけ立ち止まったときのこと。

なぜか、
その天使をみていると
涙のような水が流れた。

首をかしげてみたが
その天使に見覚えはない。


あたしは駆け足で、
急な坂道を登りきる


君との約束の場所、
丘の上の公園に行き着く


待っても、待っても、来ない
君の、
吹く風にも似た
かすれ
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