夜、その自由で自在な/秋葉竹
粉雪が降って
誰もいない夜、
心の花を枯らした
おとなしい哀しみが
うつむく
林檎の木から
甘酸っぱい香りがする
幻想世界、
真っ新な空気が
喉の奥まで冷やしてくれる
仮想世界、
私たちは、
ときには、
そんな星の下で眠るから
二人でいられるあたたかい気持ちを
ずっといつまでも、たもちつづけることができる
陽だまりの日常を
暖かい気持ちのよりどころにするな。
嘘っぱちのやさしい夢が
私には必要だから
夜は、
長い
真っ白に降り積もる冬の草原に
少しづつ雪の結晶が哀しみをにじませる
こころの軽さはない
ここ
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