ひとつ 警笛/木立 悟
 
壁の前に立ち
壁を聴く
空へ空へ
たなびく街


陽と灯のつらなり
水のかさぶた
凍える夏の
切断面の午後


行から連へ繋がる滴
小さく低く短い震動
叫びたち 曇の水紋
雨と羽と 光の遍歴


残された根に触れ
去りゆく稲妻をなぞり
鳥は背の冷たさに
ひとつのむらさきの笛の音を羽織る





















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