盆/
いっと
親戚の目が横に伸びていく
奇妙な形、と思いながら
引かれた椅子に座る
袈裟がうやうやしく現れるまで
空気は露ほども動かなかった
左手に花を、右手に線香を持つ
あとは付いていくだけ
人真似で良いと教わった日
残りの吐息を
急かされるように数える人もいた
(まだ子供で、境目であることだけを感じとっていた
蒼天の下で突き刺さるもの
光の中で、どの顔も表情を持たない
かかとに伸びる誰かの手を
踏みつけぬよう、影を持ち帰る
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