家族のキズナ/
梓ゆい
妹がママになると判った日
母の手を取る彼女の傍らでは
今は亡き父が佇んでいた。
孫の誕生を共に喜び
元気で丈夫な子供に育つよう
そっと見守り続けているかのように。
私はほんの一瞬
たった一人で黙り込む。
皺の増えた顔をくしゃりと丸め
小さな赤子を抱き上げる父を
見ることが出来ない寂しさで。
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