嘘つき/腰国改修
「私は告白すべきなのでしょうか。寒々とした六畳一間で一人で暮らすようになって八年が過ぎました。和製日本語のようで妙な名前のマンションで、マンションと言っても全く高級感のないものです。左右の隣室には差があるのです。左の部屋は物静かな初老の男性が住んでいました。彼はその日の行動がまるでスケジュール表があるかのようにピッタリ決まっています。お陰で顔を合わすことはありません。私は他人と交渉を持つのが苦手なのでちょうど良いのです。右隣は空室で、私が越して来てからは誰も入居していません。何か以前に事件にでもあったのかと勝手に想像しています。ああ、何の話でしたか、話しがそれました。焦ってるわけではないんですけど
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