ひっそりと 過ぎ行く光/むっちゃん
 
空気が漂う

幼年期の感傷が ムクムクと湧き上がる カメラを向けても 写らない幻影

秋晴れの空が さらけ出すのを 拒むように窓は閉じ 光を遮る

昔を知る老女が語る 女郎屋が建ち並び 吹き溜まりの過去が有る処 

今は 町歩きのイベントに 時々市民が訪れるとか 

静けさの中 誰もあえて語らず 聴かず 知らされない 歴史の闇へ

私にも 迫りくる陰 追い付かれまいと 歩き回つて やがて闇の彼方へ 静かに暮れ行く




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