心、泳いでいる/秋葉竹
 

心、泳いでいる

風が吹いている
いたわりはことばじゃないって
心あたたまる暗示をもらったのは
悪意すべてを認めて受けて立つ
鎧のあいつから

心、泳いでいる

泥まみれの純情を持ち続ける
体験
さまよう怪獣を
見上げても怖くないから
眼を見ると
悲しみの窓の住人なんだと思う

恨み節語りを夜に聞き続けながら
透明な寝息を
やさしさをまぶして
愛の結晶として
まっすぐに立ち向かう

これで野菜の味をやさしい味にして
さっぱりとみずみずしい感性を
このこころの囮として生きられたこと、


だれにも恥じないから
百花王さきみだれる
百歌の庭で
語らせておくれ

心、泳いでいる





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