月の味/秋葉竹
来る
夜
あ、そうか、主よ、主よ。
御身は光り輝けり。
雨は止んでくれた
そのとき忘れずにむかしの願いを
何度も何度も繰り返し
悲しみの色を滲ませて震える大気を
この身に感じて僕は
とんでもない楽観に背中を押されて
ラリホー
やっかみはんぶん、クラクラと
闇の遺伝子がこめかみ目がけて
時はゆき
ああ、そうなんだと納得した、っけ?
変わらない眠りの消えゆく世界で
バカみたいって呟いてない
けどられない無垢を誇った真実の重みは
いつまでもいつまでも
僕の好きなことだけ
考えておけばよいのだと
何の役にも立たないみなもから月を掬い
それを口に含むと
ゴクリと飲み干した、っけ?
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