わたしとあの人の道/立見春香
悲しくて
愛しくて
恋しくて
なにより好きなのだったら
わたしたちの好きは
おんなじ好きだ
でも
わたしじゃなくてあの人が
幸せになるのなら
それはもう
仕方のないことかもしれない
わたしにわたしの道が
見えないかぎり
わたしは
真っ暗闇の森林を
あの枝この枝に
引っかかり
傷つきながら
手さぐりで
歩いているみたいなものだから
でも
似ている女の人から見たらわたしも
まっすぐで綺麗な真っ白な幸福な道を
歩いているように
見えるのだろうか
もしかしたら案外
そうなものかもしれないね
もしそうなら
わたしもわたしの行くべき道を行く
それがたとえば
真っ暗闇のイバラの道であっても
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