よみち/犬絵
 
つきが
照る

みちに
街灯
しろく
照る

ひとり
あかるい
零時が
この部屋に
きて


土色の
燻んだ
顔が
恥じるのは

みち
まちへ
出たいと
希うこと
ネオンの
海を
闊歩し
たいと
希う



なんど?
グラスを
あければ
なんど?
酔いしれ
られる?
暗く
湿った
小人が視えて
グラスの中から
私を
みつめて
ちいさな命の
ちいさな声で
『ナニヲ、シテ、キタノ?』
ひからびた
ことば
ポトリ
落とす


だれも
そうさ


だれも
じぶんが
いちばん
かわ
[次のページ]
戻る   Point(5)