折り祈り、ときはいちじく/
竜門勇気
いく
そのたびに僕の中に入り込んでくる
時は終わった
叫び声すらいらない
僕は君の僕になりたかった
酔っ払って目が覚める
ひりつく
ガードレールの白い傷
ドブ水をぶちまけたような匂いのする
自分の吐瀉物
酔っ払わないと目が覚めない
時は終わった
ポケットの中の祈りも
もう、ヘドに濡れてきっと誰に渡しても
読むことも
いや、受け取ってもらうことも当然
できないだろう
あのひどく固く折りたたんだ祈りはもう、
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