roots/プテラノドン
 
自由はみな、無重力の選択圏内を潜行している。
そして、揺るぎない遅れを知る。

 しわくちゃな角笛を持ったサンチョ・パンサ
この身を一体此処からどこへ連れて行ってくれるんだい?
 二月の闇によろめく男は白い果実の匂いがすると
降ってくる雪を手ばなしでよろこんだ。
 一方で家の中にいた妹は 眠っている祖父の頭と
ほっそりとした自分の足首の間で澱む 若い記号を読んでいる
だけど本当にお前が探していたのは
背中で押しつぶしている 幸せとか不幸とか「私」の影
さりとてひるまないお前と 永遠に点らない街灯が重なる事で
静よりも長い、静かな「夜」が伸びていく
飽和した暗闇のはてで あ
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