記憶/Giovanni
 
化石した
遠い遠い
昼下がり
わたしは
人を離れ
故郷を離れ

海へ向かった

知らなかった
心さえ向けば
海とわたしとは
一本道なのだ

そんなことすら
知らないほど
青白い
わたしは
夢想家だった
でも
心のなかは
あの日見た
夕日浴びる
白銀の海のように
陸離としていた

警句なんていらない
ただ
ありのままを
ことばにするのだ


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