雪解けの詩/
ミナト 螢
片道切符で揺れる電車に
もう引き返せないと決めた心の
熱い塊がトンネルの中で
燃料となって明日を照らす
言いたいことなら溢れ出していく
後から先へと繋ぐ虹のよう
黒く光る長靴に詰めた言葉を
逆さまにしたら白く輝く
雪が降りてくる
誰かの頭上に落とした雪が
いつか僕のニット帽を濡らすだろう
虹を降りるまでの間
デタラメな地図を
信じ切ったように
間もなく辿り着く
都会のアスファルトに
ゴム長靴では負けそうになる
快音を鳴らす靴が欲しかった
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