九月の夜/
水宮うみ
窓を開けると、九月の涼しい風が僕の部屋に舞い込んでくる。
こんなにも夜が美しいことを、今まで知らなかったよ。
感情も言葉も、静かな夢の中にいて、
時間がやさしく微笑みかけてくれる。
どうしようもない過去が、僕にはあるけれど、
こんな夜があるなら、なんだか大丈夫な気がするよ。
少なくとも今は、全然悪くない気分だ。
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