時が過ぎても/文字綴り屋 ひじり
 


何も心に届かないだろうと思った

もう何をしても

どんな気持ちもわいてこないだろうと思った


でも目を見開き

耳を澄ますと

あなたの存在を感じた

懐かしく温かいあなたを


少しずつ忘れていくこと

記憶が曖昧になっていくこと

自分に都合の良いことしか

思い出せなくなったとしても

それでも

あなたの存在は消えない

おぼろげな記憶になったとしても

あなたの存在は消えない

私の中で確かに存在している
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