ふたつの命/葉leaf
 
互いに飛び跳ね匂い立つ水となる。

助けを呼ぶ声がする。それは僕の声でもあり君の声でもある。死にかけた体がある。それは僕の体でもあり君の体でもある。僕らふたつの命、互いに命を与え合うことで生き返った。僕の体には君の命が必要で、君の体には僕の命が必要だったのだ。救急隊はもはや帰還して、僕らは再びゆりかごの中にいる。

僕ら互いに旅の道連れ、それぞれ違った旅路を進みながら、同時にふたつの旅路を歩む。旅の荷物は少しずつそろえては少しずつ捨てていこう。僕らふたつの旅路の過程で、互いの太陽と互いの月を仰いで、それぞれの物語を紡ぎながら、ふたつの物語を織り合わせる。僕らの物語と劇は複雑なプロットを作り上げて、愛という前衛を歌い上げるだろう。

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