----- original message -----/狩心
スがあった
それはよく見ると巨大なテントで
みんなが楽しそうにしている都市だった
私はそれをしばらく眺めて
うれしそうに微笑んだ あと
立ち寄らずに過ぎ去る
過ぎ去った思い出たちがよぎって
風の声に耳を傾けて
口の中に混じった
砂利の感覚を覚えて
私は荒野を歩いている
何もなく、誰もいない場所
ここでいつか納得できた時
歩くことをやめる
歩くことをやめる
それは負けたということか
いや違う、
この世界を、この宇宙を
正しく理解できたということだ
私は歩くことをやめる
テントも張らない
この地球を離れようとしている
砂のロケットを作っている
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)