どうしようもないことだってあるんだから/坂本瞳子
 
足元がおぼつかない
転んでしまった方が楽そうだけれど
目眩だって吐き気だって
軽いとはいえしていて
倒れてしまいたいのだけれど
なにかがそんな気持ちにブレーキをかけて
だからといって気丈にしているわけではなくって
致し方なくこうしているだけで
息切れしながら動悸を覚えながら
気持ちはどんどん遠のいてくのだけれど
なんだかここでこうしていて
時間が過ぎゆくのを待ちながら
やるせない想いを誤魔化して
それでもなんとか自分でいようと
ひたすらにひたむきにそうしている
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