その振動が記憶している/ホロウ・シカエルボク
らかんと、整然と轟音としてそれは鳴り続けていた。プレッシャー?フラストレーション?イニシエーション?…原因と思えそうな単語をいくつか挙げてみたら、まるでジャパニーズロックの歌詞の一説のようだった。下らないフレーズだけど、こんな風に考えてみたらそれはあながち間違いじゃないのかもしれない―それは確かにそうなんだろう。完全に間違っているものなら、それを支持する人間など皆無だろう…。轟音のおかげで他の音は聞こえなかった。それは結果的に静寂と言ってよかった。ピース・&・ノイズ。ノイズが静寂になることは確かにある。ノイズが平和となる瞬間は確かにある―もしも詩を書いているような誰かがこれを読んでいるなら、このこ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)