44447/腰国改修
 
気がする。とても月光価千金などとは思えない。何故かその満ち足りた月は私を見下ろし、いや、そう意識しているのは哀れな私の方で、月からすれば、私も、一匹の羽虫も変わりなくちっぽけで、宇宙に浮かぶ種族からすれば、存在しないも同然だ。それなのに私は意識する。自意識と重なって見えない位置からでも満月が煩わしい。狩人になって銃身の長い鉄砲で月を打ち落としてやりたいものだ。月がなくなれば、バランスを崩した地球はどうなる?そこに貼り付いた寄生虫はどうなる?

『ぱん!』

月に向かって、指鉄砲の空砲を放つ。銃身の長い鉄砲を持たない私にはそうする他にない。

『ケラケラケラ』
軽やかな笑い声。本来は鳴
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