スピカ/
待針夢子
ただあいたくて、それだけでしんでしまえそうだけど
あの子が火葬場のにおいのする小島で
何も映さず笑っていられますように
忘れることも残すことも許さない
残酷な小鳥でいられますように
午前二時のバスタブで
淋しさに微笑みませんように
見えないその瞳で
しあわせのかなしみに瞬く
同じスピカを見上げているとしんじてる
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