その街が破れかけていたので/秋葉竹
 
から、怖いよね。

すべて忘れすぎて生きたまま死んでしまう
ところだった甘い香りの白いクスリの刃は
いつも鳴らないこの街の有名な時計台で待つ君の胸に
時計仕掛けの神も癒せない擦過創(さっかそう)を残すだろう

私を殺し損ねた都会の風の中
その黒く汚れ果てた川も枯れ果てて
冷たい涙を残すのみとなるだろう
もはや死者と呼んでいい悲しみの暗い瞳を
根っこっからグラつかせてもういいやって
雨中に生きれば、死んでもいいやって
ローカルライオンになれれば
生きてもいいやって
羽化をみられれば
いいやって
あれ、もう
いいやって
感じる
気も
ない
なく















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