その街が破れかけていたので/秋葉竹
 



恐竜の高さのビルの二階階段踊り場で
二段階右折を見降ろしていることに気づく

早朝さんざめく目眩(めまい)の驟雨は
作られた樹々の明日を生かそうとする

寂しい風がゆったりと吹くから
どこへも行ける自由とは疾風だと嘘をつく

地上絵を描いた見知らぬ男の子の清い汗が
白く冷たい氷の世界に飛び散り凍る

暗黒の中二の龍をそのまなこに飼った
恋人募集中の永遠のやわらかい未来を
寝床にできるあたたかいところへ行く彼が

まるで昔の自傷趣味の未分化な思いひきずった
オルゴールのような悪びれない永遠を
その舌で再生していたハタチ前の私に

クリソツだから
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