黄昏メロディー/秋葉竹
きみの頑張りを
ぼくは知っている
ずっときみの側にいて
ちゃんと見てきたから
そうでしょう?
夕陽の沈むこの街並みに
オレンジ色の花が咲き
夏も終わりの優しい風が吹く
きみの瞳も優しいオレンジ色
まるで宝石のような煌めき
みあげると割れたガラスのような三日月と
側でかがやく宵の明星
ふたりの目が合うと
あたたかい気持ちが通い合う気がする
歩行者専用信号のメロディーが
ちょっとまぬけて
微笑ましく
これが、ふたりの恋のメロディー?
って、違うよね
ふたりのメロディーは、あの映画で聴いた
陽気でちょっと寂しいあの歌だよね?
ぼくたちはふたり手をつないで
この横断歩道を渡るんだ
そんななんでもない幸せが
ふたりの世界のすべてなんだ
この黄昏の街に優しい
ほんとうにやわらかい風が
吹いている
ぼくたちは、それを感じて、歩いていく
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