からっぽの世界に小石を投げ込む音を椅子に腰を下ろして聞いている夜中/ホロウ・シカエルボク
 
キーボードを叩く
在庫整理セールのように熱を振りかざしながら夏はそろそろ帰り支度を始めている
汗と汗に紛れて季節の隙とでも呼べそうななにかが流れ落ちていく
買い物に出かけて長いあいだ雨に打たれながら歩いていたのは朝のこと
それは日常とも非日常とも言えた、でもどちらかに決めなくちゃいけない理由も無かった
フォーク・ソングとヘヴィー・メタルとポップスをとっかえひっかえして
なにをする気にもならなかった日中を塗り潰して過ごした
うたた寝の合間に素敵な夢を見たことがない、妙にもの言いたげな、そんな場面が
ヌーヴェル・ヴァーグみたいな勿体ぶった調子でダラダラと繰り返されるだけだ
腰の骨が少
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