映画/ミナト 螢
 
未使用のフィルムに
焼き付けられた人生は

上映されることのない
映画みたいに
拍手も行列もなくて

ただその命に針を落とした
レコードのように
回り続けて

擦り切れるまで
転がり続けて

傷だらけの生涯だったと
誰かに打ち明けて
認めて欲しかった
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