ムンクの『叫び』を少年は叫んだんだ/秋葉竹
 
ちまった寂しさは
死に顔みても穢れない

忘れっちまった寂しさに
雄雄(おお)雄雄(おお)しくも自傷の胸と
忘れっちまった寂しい声を
抑えきれずに夜さけぶ

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むろん、
その少年は、わたし。

そのさけびは、
わたしのなかの
ムンクの『叫び』だったのです。

それは、そんなに、
かんたんな絶望なんかじゃないんだ。
ひたすら、こえを枯らし続ける長い夜だ。

そして、その夜からわたしは、口を閉ざし続ける。
そして、ふりかえらずに、夜を往く。





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