ムンクの『叫び』を少年は叫んだんだ/秋葉竹
 


ムンクの『叫び』の
なかの少年(と、信じたわけです)を
自分自身だと感じ、
だから寂しくなった、とある日本の少年が、
その絵と詩人の中也をリスペクトするあまり、
いっぺんの詩を書いたのです。

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忘れっちまった寂しさは

忘れっちまった寂しさは
月虹(げっこう)しみこむ空の色
忘れっちまった寂しさに
酔うた赤目に風が吹く

忘れっちまった寂しさの
詩人が奇矯を裏切った
忘れっちまった寂しさを
乱破(らっぱ)素破(すっぱ)が刺し殺す

忘れっちまった寂しさを
安らかな眼で祈りたい
忘れっちま
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