月も滴(したた)る/秋葉竹
 

けれど、月はたぶん、平気で嘘をつく。
それが、丁度こんな感じ、さ。

ものすごく単純に、
あたしは
実はすこし翳のある女性になりたかったんだ、
そんなの、
のぞむバカって、
あまりいないじゃない?

って、ね?
(さて、どこが嘘でしょう?)

太陽が
比喩を超え、人を殺す時代になって、
夜が更けてから、
体温でとろけるチョコを
口の中にほおりこむんだよ、
甘ったるい、
あのころ、あのひと、あたしと、出逢った
愛とは、呼べない、幼く、甘めの、
恋のおはなし、ききたいのかな?

けっこう、長くなりそうだよね?

そんな、お時間、よろしいかしら?

また、月の水が滴るよ、きっとみわけがつかない、

それとも、濡れても、まだ、よろしいかしら?

そういえば長めのご用意、お支度、

しておいて、いただけましたっけ?







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