月も滴(したた)る/秋葉竹
けれど、月はたぶん、平気で嘘をつく。
それが、丁度こんな感じ、さ。
ものすごく単純に、
あたしは
実はすこし翳のある女性になりたかったんだ、
そんなの、
のぞむバカって、
あまりいないじゃない?
って、ね?
(さて、どこが嘘でしょう?)
太陽が
比喩を超え、人を殺す時代になって、
夜が更けてから、
体温でとろけるチョコを
口の中にほおりこむんだよ、
甘ったるい、
あのころ、あのひと、あたしと、出逢った
愛とは、呼べない、幼く、甘めの、
恋のおはなし、ききたいのかな?
けっこう、長くなりそうだよね?
そんな、お時間、よろしいかしら?
また、月の水が滴るよ、きっとみわけがつかない、
それとも、濡れても、まだ、よろしいかしら?
そういえば長めのご用意、お支度、
しておいて、いただけましたっけ?
戻る 編 削 Point(5)