ソリチュードのもつれ/ホロウ・シカエルボク
 


おぼろげな夢のなかで
おまえは踊りはじめた
おざなりなワルツのプロローグ
おぼつかないステップの羅列

金属のような月明かりが
照らす板張りの床のうえで
同じリズムが何度も、何度も
古い記憶の扉をたたくみたいに

ソリストは孤独を紡ぎ
真夜中は沈黙を雄弁にする
置きざられた楽譜は隙間風にめくれて
もう二度と火照ることのない旋律をあらわにする

セレモニーは終わった
聖杯は床で砕け
酒瓶はすべてからになった
ひとしきり声を昂らせた連中は拠り所をなくして
人知れぬ罪人のような後ろめたさを見せながらいずこかへ帰って行った

陽に焼けて色褪せ、ボロボロにな
[次のページ]
戻る   Point(4)