望んだような眠りがそこに訪れるはずもなく/ホロウ・シカエルボク
 
はまだこれを認識してはいない、やたら無遠慮に接近してきたくせに、どこか余所余所しいそれは、なにがしかのやんごとない事情でもって、接触せざるを得ないという態度をあからさまにしている人間のような空気をまとっていた、そんなものを漁っていくことになんの意味があるだろう?そんなことを突き詰めていったところでこの夜の正体を掴むことが出来るとは思えなかった、とはいえ他にすることもないというのが現状であって、とりあえず手当たり次第に思考を掻き回していく以外に俺のやるべきことはなかった、なにもしないで居たらそれこそ、ただの阿呆になってしまうから―「闇の中で考え事はするべきじゃない」と、スピリチュアルという言葉を食い
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